COLUMNコラム
アスペルガー症候群の子どもが本ばかり読む理由は？サポートについても
アスペルガー症候群とは、発達障がいの一つです。強いこだわりや感覚過敏などの特性により、本を読むことを好む傾向にあります。
本記事では、アスペルガー症候群の子どもが本ばかり読む理由について詳しく解説します。適切なサポート方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群とは、発達障がいの一つです。知的障がいを伴わず、言語能力も問題ないものの、社会性の発達に困難さを抱える場面が多くなります。
知的発達や言語発達の遅れがないため、コミュニケーションの取りにくさは感じつつも、発達的な課題があることに気づかれにくい特徴があります。
アスペルガー症候群の特性
アスペルガー症候群の主な特性は以下の3つです。
・コミュニケーションの困難
・対人関係の困難
・こだわりが強い
アスペルガー症候群の子どもは、コミュニケーションによる対人関係の困難さが見られます。相手の感情を理解し空気を読むことが苦手だったり、情報を素早く処理し、言葉や行動に移すことが苦手だったりする傾向があるからです。
その結果、相手を傷つけるような発言をしてしまうこともあるでしょう。空気を読むことも苦手なため、誤解を生みやすいコミュニケーションをしてしまうこともあります。また、こだわりの強さもアスペルガー症候群の子どもの特性です。
興味を持った対象に強いこだわりを持ち、熱中する傾向があります。知識を深く掘り下げ、周囲を驚かせるほどの情報量を蓄積する子どもも珍しくありません。ただし、興味・関心の偏りが顕著であることも特徴で、興味のないことには関心を示さないことがほとんどです。
さらに、自分なりのルールや習慣にこだわる傾向があるため、予定通りに事が運ばないと不安を感じたり、パニックになったりしてしまうこともあります。
アスペルガー症候群は本を読むのが好きな人が多い
アスペルガー症候群の子どもは、本を読むことを好む傾向です。理由は、特性が関係しています。例えば、強いこだわりに関する特性は、本を読むことで好きなことの知識を深められます。
対人関係が苦手な特性がありますが、読書中は周囲の人との関わりを避け、自分の世界に没頭できる安心感を与えてくれます。また、感覚過敏の特性に関しては、本を読むことが視覚や聴覚などの感覚刺激をコントロールし、心地よい状態を保つ効果的な方法となっているかもしれません。
つまり、アスペルガー症候群の子どもにとって読書は、興味・関心を満たし、自己肯定感を高める大切な活動と言えるでしょう。周囲の人が、その特性を理解したうえで、適切に読書環境を整えてあげることが大切です。適切なサポートの提供により子どもたちは読書を通して、豊かな学びと成長を経験できます。
感覚過敏に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
アスペルガー症候群のサポート
ここでは、アスペルガー症候群の子どものサポート方法を3つ紹介します。
- 手順や目的を明確にする
- 短く具体的に指示をだす
- 長所を伸ばし苦手は関わり方を工夫する
手順や目的を明確にする
指示を出す際は、手順や目的を明確にしましょう。理解しやすくなり、行動をスムーズに実施できます。アスペルガー症候群の子どもは、抽象的な指示や全体像を把握するのが苦手です。指示は具体的に分かりやすく伝え、イラストや写真を活用するのもよいでしょう。
手順や目的を分割し、小さなステップでこまめに達成感を味わえるような工夫もおすすめです。
短く具体的に指示をだす
指示は短く具体的にだすようにするとよいでしょう。誤解を減らし、してほしい行動を引き出せます。アスペルガー症候群の子どもは、曖昧な指示や間接的な表現を理解するのが苦手なため、指示は具体的かつ簡潔に伝えることが重要です。
注意点として、「～して」「～しない」などの二重表現やダブルバインドは避けてください。「もっと自由に遊びなさい」と言いながら、実際に子どもが遊び始めると「うるさい！静かに遊びなさい！」と怒るケースです。
無意識のうちに起こってしまうこともあるため、日頃から子どもを尊重したコミュニケーションを心がけることが大切です。
長所を伸ばし苦手は関わり方を工夫する
長所を伸ばし、苦手なことは関わり方を工夫するサポート方法も効果的です。長所を伸ばすことで、子どもの将来的な可能性を広げられます。アスペルガー症候群は、集中力や記憶力、特定分野への強い興味を持つといった、長所になりやすい特性があります。
しかし一方では、コミュニケーションや対人関係などの苦手もあります。得意分野を活かせる活動や機会を提供したり、苦手分野は無理強いせず少しずつ克服していったり、環境を整えてあげるとよいでしょう。
苦手なことは関わり方を工夫し、長所を活かせる環境を作ってあげてください。
まとめ
アスペルガー症候群の子どもに本好きが多いのは、特性に関連しているからです。読書は、興味・関心を満たし、自己肯定感を高める大切な活動と言えるでしょう。
子どものニーズに合わせた対応を心がけ、自信を持って成長できる環境を作ってあげてください。医師や専門家と連携しながら最適なサポート策を見つけましょう。
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