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独り言が多いのは病気? アスペルガー症候群との関連性について解説

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子どもに独り言が多いと、病気や発達の問題を心配するママやパパもいるでしょう。独り言の多さはアスペルガー症候群(現在では自閉スペクトラム症=ASDと呼ばれる)に見られる特性のひとつとして知られています。

本記事では、アスペルガー症候群の子どもが独り言を言う理由と、その背景にある特性、適切な関わり方について紹介します。

 

独り言が多いのは病気ではなくアスペルガー症候群の可能性が考えられる

独り言は単なる癖や性格と捉えられることもありますが、発達障がいの一つであるアスペルガー症候群に見られる特性として現れているケースもあります。ここでは、独り言が多い子どもに見られる背景として、アスペルガー症候群の特性との関係を紹介します。

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群とは、対人関係や柔軟な思考に難しさを抱えやすい発達障がいです。現在では「自閉スペクトラム症(ASD)」に統一されています。アスペルガー症候群の多くは、知的な遅れや言語の発達の遅れが見られず、一見すると困りごとがわかりにくい傾向があります。

しかし、場の空気を読むことが苦手だったり、暗黙のルールに気づきにくかったりするため、対人関係でつまずくことが少なくありません。また、自分なりの強いこだわりや興味の偏りが行動にも表れやすいのです。

 

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アスペルガー症候群の独り言とは

アスペルガー症候群の子どもは、場面や相手に関係なく独り言を言うことがあります。感情の整理や記憶の定着、安心感を得るための行動として無意識に行われるケースが多いのです。

例えば、不安を感じたときに「大丈夫、大丈夫」と繰り返して言ったり、耳にしたフレーズをそのまま口に出したりします。また、考えを頭の中でまとめるのが難しいため、声に出すことで思考を整理するケースもあります。

 

アスペルガー症候群の子どもに独り言が多い理由

アスペルガー症候群の子どもの中には、独り言が目立つケースがあります。独り言が悪いことではありませんが、背景にある意味を理解すると周囲の関わり方にも配慮がしやすいでしょう。

ここでは、アスペルガー症候群の子どもに独り言が多い理由について紹介します。

 

考えを整理する手段として言葉にしている

アスペルガー症候群の子どもが独り言を話す理由のひとつに、頭の中を整理するための手段であることが挙げられます。もともと黙って考えることや、心の中で文章を構成する「内部言語」の処理が苦手な傾向があるため、思考の流れを言語化するために声に出している場合があるのです。

例えば、予定を思い出すときに「今日は図書室に行って、それから…」と声に出して確認する子どもがいます。本人にとっては、自分の思考を音に変えることで理解や判断がしやすくなります。

独り言は無意識のうちに行われることが多く周囲が驚く場合もありますが、本人にとっては自然な思考整理の方法であることが多いのです。

 

安心感を得るために声に出している

アスペルガー症候群の子どもが不安を感じたとき、言葉に出すことで気持ちを落ち着かせようとするケースがあります。不安や緊張を抱えているとき、自分自身に対して「大丈夫」や「まだ時間あるから平気」などと声をかけることで、心を安定させようとするのです。

ただし、周りに人がいる場面でも独り言が止まらないことがありますが、状況に合わせて行動を変えることが苦手な特性が関係している場合があります。独り言を注意するのではなく、その背景にある不安や緊張に目を向けて寄り添うことが大切です。

 

思いついたことをそのまま言葉にしてしまう

アスペルガー症候群の子どもは、自分の中に浮かんだ考えをそのまま口に出してしまうことがあります。状況や相手の気持ちを読むことが苦手であるため、発言が独り言のように聞こえることがあるのです。

本人は頭に浮かんだ内容を整理せずに即座に言語化しているだけですが、場にそぐわない印象を与えてしまうことがあります。このような特性を理解したうえで、言葉の使い方や場面の読み取りをゆっくり学んでいけるようにサポートすることが大切です。

 

アスペルガー症候群の子どもの独り言は無理にやめさせる必要はない

アスペルガー症候群の子どもが独り言を言う場合、無理にやめさせようとする必要はありません。本人にとってその独り言が気持ちを落ち着ける手段になっていることがあるためです。

静かにすべき場面であれば場面を説明し、「今は静かにしよう」と促すことで対応できることもありますが、やめるのが難しい場合もあります。そのときは叱ったり制止したりするのではなく、必要な行動として尊重し、落ち着いて見守ることが大切です。

 

まとめ

 

アスペルガー症候群の子どもにとって独り言は、思考を整理したり不安を和らげたりするための大切な手段になっている場合があります。無理にやめさせようとするのではなく、なぜその独り言が出ているのかという背景に目を向けることが大切です。場面に応じた対応ができるようゆっくりと関わり、本人の気持ちに寄り添いながら見守りましょう。

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