コラム
アスペルガー症候群が人の名前を覚えられない理由は？治療方法についても解説
人の名前を覚えるのが苦手な方もいれば、初対面でもすぐに記憶できる方もいます。特に、アスペルガー症候群（自閉スペクトラム症）は、名前と顔を結びつけるのが難しい場合が多いとされています。この違いはどこから生まれるのでしょうか？
本記事では、アスペルガー症候群の特徴に焦点を当て、なぜ名前を覚えにくいのかを深掘りし、具体的な対策を紹介します。名前を覚えることに苦手意識がある方や、アスペルガー症候群の理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもアスペルガー症候群とは
かつて「アスペルガー症候群」と呼ばれていたものは、現在では「自閉スペクトラム症（ASD）」の一部として分類されています。知的発達に遅れがないものの、社会的なコミュニケーションに課題を抱えることが多いのが特徴です。
アスペルガー症候群の主な特徴と具体的な影響は以下のとおりです。
・言葉の理解が字義通りになりやすい：冗談や比喩をそのまま受け取る傾向がある
・感情の読み取りが難しい：相手の表情や声のトーンから意図をくみ取ることが苦手
・興味や関心の偏りが顕著：特定の分野に非常に詳しくなり、それ以外のことには関心が薄い
・予測しにくい状況が苦手：決まったルーティンを重視し、急な予定変更などに強いストレスを感じる
上記のような特徴から、日常生活においてもさまざまな困難を抱えやすくなります。
アスペルガー症候群は人の名前が覚えられない？3つの原因
アスペルガー症候群が人の名前を覚えにくい理由を3つの視点から解説します。
人との関係を築くのが難しいため
アスペルガー症候群の場合、相手の表情やジェスチャー、声の抑揚などの非言語的な情報を読み取るのが難しいことがあります。そのため、相手の印象が薄くなり、名前と顔を結びつける機会が減ってしまいます。
例えば、職場や学校で自己紹介の場があっても、相手の反応を理解するのに精一杯で、名前を記憶する余裕がなくなることがあります。このような状況が積み重なることで、名前を覚えるのが苦手になってしまうのです。
名前と情報を結びつけにくいため
一般的に、人の名前はその人の特徴やエピソードと結びつけて記憶されることが多いですが、アスペルガー症候群の場合は名前を単なる情報として処理することが多いため、記憶が定着しにくくなります。
例えば、「田中さん」という名前を聞いたとき、多くの場合は「眼鏡をかけた背の高い人」や「営業部の田中さん」など、何かしらの特徴と関連づけて覚えます。しかし、アスペルガー症候群の場合は、そのような関連づけが苦手で、単に「田中さん」という音の情報だけを覚えようとしてしまうため、記憶から抜け落ちやすくなるのです。
興味があることを優先しやすいため
アスペルガー症候群の方は、特定の興味関心に強く集中する傾向があります。そのため、自分の興味の対象でない情報は、意識的に覚えようとしなければすぐに忘れてしまうことがあります。
例えば、鉄道が好きな人は、新しい車両の型番や路線名をすぐに覚えられるのに、同じ職場の同僚の名前はなかなか記憶できないことがあります。これは、記憶の優先順位が関心の高いものに向かいやすいためです。
アスペルガー症候群の治療
アスペルガー症候群（自閉スペクトラム症）の根本的な治療法は現在確立されていませんが、適切な支援やトレーニングを通じて、コミュニケーション能力の向上や日常生活の困難さを軽減することが可能です。特に、幼少期からの療育（発達支援）は、社会性やコミュニケーション能力の発達に大きな効果をもたらします。
療育とは、言葉や身体機能などの発達に遅れが見られる子どもに対して、専門的な教育支援プログラムを通じて生活の不自由を軽減する取り組みです。具体的には、社会的なスキルやコミュニケーション能力を育むためのトレーニングがおこなわれます。
LUMOは、医師監修の独自プログラムを通じて、運動を介して発達障がいやグレーゾーンの改善を目指す児童発達支援・放課後等デイサービスです。運動を通じて成功体験を積み重ねることで、自信を育み、新たなチャレンジへの意欲を引き出します。
LUMOのプログラムは、原始反射を整えることに重点を置いており、脳の発達を促し、発達上の課題にアプローチします。また、集団療育を通じて、子どもたちは友達と競い合い、互いに褒め合う環境の中で、チャレンジと成功・失敗を経験し、「自立」を目指します。
まとめ
アスペルガー症候群が名前を覚えにくいのは、対人関係の築きにくさや、情報の処理の仕方が関係しています。名前を覚えやすくするには、視覚的な補助や繰り返しの学習が効果的です。また、適切な支援を受けることで、日常生活の困難さを軽減することもできます。アスペルガー症候群の特性を理解し、個々のペースに合わせたサポートを心がけることが大切です。
LUMOでは、原始反射の理論などを用いて脳を鍛えることで運動療育を促進しています。原始反射は、生まれつき備わっている反射であり、刺激に応じて自動的に生じる反応です。この原始反射を調整することは、カラダの発達や運動機能の向上に役立ちますが、同時に脳を鍛えることにもつながります。