COLUMNコラム
視覚優位とは?言葉が遅い子との関連性
「視覚優位について詳しく知りたい…」
「言葉が遅いのに関係あるの?」
今回はこういった悩みや疑問を解決していきます。本記事は、以下の内容についてわかります。
- 視覚優位の特徴
- 視覚優位と言葉の遅れの関連性
詳しく解説しているので、参考にしていただけたら幸いです。
視覚優位・聴覚優位とは?
視覚優位と聴覚優位は、脳が「入ってきた情報をどのように処理するのが得意なのか」という特性です。これは「認知特性」と呼ばれ、誰にでもあるとされています。
視覚優位と聴覚優位についてそれぞれ詳しく解説します。
- 視覚優位とは
- 聴覚優位とは
視覚優位とは
視覚優位とは、目で取り入れた情報処理が得意な人を指します。単純な視力とは異なり、視覚優位でも視力が悪い人もいます。
視覚優位の特徴は以下のとおりです。
視覚優位の得意なこと
- 人の顔を覚えやすい
- 絵、写真、グラフ、動画など視覚的に示されたものを理解しやすい
- 絵を描くのが得意な場合が多い
- 漢字を部首で覚えるのが得意
視覚優位の苦手なこと
- 文字だけの文章題
- 漢字を似た字と間違えて書いてしまう(小→少など)
- 背景は思い出せるが会話の内容などがでてこない
視覚優位は目で見た情報処理が必要とされる活動で能力を発揮することが多いとされています。日常生活でも得意な様子が見られるのが特徴です。
聴覚優位とは
聴覚優位は、耳から得た音声情報を覚えたり、考えたりすることが得意な人を指します。聴覚言語優位と言われることもあります。
聴覚優位の特徴は以下のとおりです。
聴覚優位の得意なこと
- 口頭指示の理解
- 音楽を聴いているとすぐに歌詞を覚える
- 英語のリスニング
聴覚優位の苦手なこと
- 人の顔を覚えるのに時間がかかる
- 音楽を聴きながら勉強ができない(頭の中で音楽が流れて、思考が邪魔をされる)
- 読みが同じ漢字と間違える(商→賞など)
学校では先生の指示で行動する場面が多いので、聴覚優位の子どもの方が困りごとが少ないケースが多いといわれています。また、会話など音声でのやりとりが記憶に残りやすいのも特徴です。
視覚優位は言葉が遅い?
ASD(自閉スペクトラム症)は、視覚優位の特性を持つ人が多い傾向があると言われています。そのため、ASD(自閉スペクトラム症)の特性である言葉の遅れがみられるようになります。しかし、ASD(自閉スペクトラム症)でも、聴覚優位の特性がある場合もあり、ASD(自閉スペクトラム症)すべての人が視覚優位ではありません。
視覚優位・聴覚優位の苦手への克服法
視覚優位と聴覚優位のそれぞれの苦手なことへの対処法を紹介します。
- 視覚優位の苦手の克服法
- 聴覚優位の苦手の克服法
視覚優位の苦手の克服法
視覚優位の子どもの場合、必要でないものが視界に入らないように環境を整え、視覚からの刺激を減らすことが効果的です。視覚優位の子どもの場合、ママやパパ、先生などの言うことを聞いていないように見受けられることがあるでしょう。それは、聞いていないのではなく、聴覚からの情報処理が苦手なため、きちんと理解できていない可能性があります。
また、子どもがなかなか勉強をせず、気が散っている様子が見られるときは、視覚からの刺激が多すぎて混乱してしまい、集中でないことが考えられます。そのため、環境を整え、視覚からの刺激を減らすことは有効といえます。
聴覚優位の苦手の克服法
聴覚優位は、音が耳に入りやすいので、騒がしい場所では勉強に集中できません。さらに、音声情報を記憶しやすいので、音楽が流れていると頭の中でループしていることも多く、集中したい時に困ってしまうこともあります。対策として、静かな場所で勉強をする、耳栓をして音の情報を遮るなどが有効です。
また、聴覚優位の子どもは漢字を見て、覚えて書くことが難しい場合があります。このような場合の工夫として、聴覚からの情報を利用します。たとえば「走」という漢字を覚える場合、「ツチ、ト、ヒト」と唱えながら書いていくことで覚えやすくなります。工夫次第で苦手も克服できるでしょう。
まとめ:視覚優位と聴覚優位それぞれに適したサポートを
視覚優位と聴覚優位は、入ってきた情報をどのように処理するのが得意なのかという脳の特性である認知特性のひとつです。これらの特性により、日常生活や学校などでの困りごとにつながってしまう可能性もあるため、適切なサポートと配慮が大切です。
子どものニーズに合わせた対応を心がけ、自信を持って成長できる環境を作ってあげてください。医師や専門家と連携しながら最適なサポート策を見つけましょう。
LUMOでは、原始反射の理論などを用いて脳を鍛えることで運動療育を促進しています。
原始反射は、生まれつき備わっている反射であり、刺激に応じて自動的に生じる反応です。この原始反射を調整することは、カラダの発達や運動機能の向上に役立ちますが、同時に脳を鍛えることにもつながります。