COLUMNコラム
ABA(応用行動分析学)と原始反射とは|療育における考え方
「ABAと原始反射とは」
「療育の考え方とは」
今回はこれらの悩みや疑問を解決します。本記事では以下の内容についてわかります。
- ABAと原始反射について
- 療育について
詳しく解説するので参考にしていただけたら幸いです。
ABA療育とは?
ここでは、以下の2つの内容について詳しく解説します。
- ABAとは?
- 療育方法
ABAとは?
ABA(応用行動分析)は、行動の前後を分析して目的を明らかにし、環境を操作して問題行動を解消する方法をいいます。ABAを用いることで発達障がいの症状を軽減し、本人や周囲の生活の質の向上が期待できるでしょう。
ABAは療育機関や団体によって推進され、保護者向けのセミナーやトレーニングもおこなわれています。技術や労力が必要なため、専門家や支援団体と連携しながらおこなうことが重要です。
療育方法
療育方法について、以下の3つが重要です。
- 行動分析
- 行動を強化する
- 行動を消去
行動分析
ABAでは行動分析が重要な役割を果たします。その中でもよく用いられるのがABC分析です。
ABC分析では、以下の3つの要素を詳しく分析します。
・先行事象(Antecedent)(対象行動が起こる前の状況や行動を観察する)
・行動(Behavior)(具体的な行動の内容やパターンを分析する)
・結果(Consequence)(行動が起こった結果として得られる事象を考える)
しかしABAでは行動だけに限らず、環境要因にも注目することが大切です。なぜなら環境要因は、対象行動が引き起こされる背景や刺激の提供、結果として得られる報酬や反応などを含んでいるからです。
行動だけでなく、環境要因や前後の事象を総合的に分析することで、対象行動に対する適切な介入や支援策が立てらるでしょう。分析を通じて、行動パターンを理解し、問題行動の解消や望ましい行動の促進につなげることがABAの目的といわれています。
行動を強化する
対象行動が好ましい場合、ABAでは自発的にその行動を繰り返すよう強化します。強化子はものに限定されず、本人が求めるのであればメリットとして機能します。たとえば褒め言葉や称賛の声がけ、スキンシップなどが強化子です。
強化子を通じて対象行動を強化することで、望ましい行動の定着とよい結果が期待できるでしょう。ABAでは個々の子どもに合わせた適切な強化子の選択と提供がおこなわれます。
行動の消去
望まない行動が起きた場合、ABAでは対象行動を減らすために消去します。消去には、対象行動が本人にメリットのない結果をもたらすことが必要です。ただしメリットのない結果とは、本人が望んだ結果とは異なることを指します。
具体的には精神的な苦痛や叱責などではなく、本人が望んだ結果にならなかった状況を作り出します。つまり「対象行動をしても意味がない」と感じることが重要です。
消去する際には、強化する際以上に慎重な行動分析が必要です。たとえば、子どもが注目されたいという要求をもち、いたずらをする場合、注目が強化子となり問題行動を繰り返す結果になる可能性もあるでしょう。対象行動を起こした要求や目的を丁寧に分析する必要があります。
ABAでは対象行動の消去においても個別の要求や目的を考慮し、適切なアプローチをします。消去により望まない行動を減らし、より適切な行動パターンの獲得を支援します。
原子反射とは?
LUMOでは医師監修の独自プログラムで、ABA療育とは異なる運動を中心とした療育で発達障がいやグレーゾーンの改善を目指します。LUMOが重点を置いている「原始反射を整える」ことがいかに重要か解説します。
- 生まれつき本能的に備わっている能力
- 発達障がいと原始反射の関わり
- 原始反射を調える
生まれつき本能的に備わっている能力
原始反射とは、生まれつき私たちがもっている本能的な能力のことです。これは生命の最初の瞬間から備わっており、特定の刺激に対して自動的に反応する反射動作です。
たとえば、赤ちゃんがこぶしに触れられると、てのひらをを開いてつかむような手の動きをします。これは「掌握反射」と呼ばれ、原始反射のひとつです。
原始反射は生存に必要な反応や保護機能を果たし、モロー反射・緊張性迷路反射・吸啜反射などさまざまな反射があります。ただし原始反射は成長とともに統合する傾向があり、生後1年ほどで見られなくなるのが一般的です。代わりに意識的な行動や学習によって制御される動作が発達していきます。
発達障がいと原始反射の関わり
発達障がいやグレーゾーンの子どもたちは、原始反射が残っているケースが多いとされています。原始反射は生まれつきの本能的な反応であり、発達の初期段階で重要な役割をもっていますが、生後1年ほどで見られなくなるのが一般的です。
発達障がいやグレーゾーンの子どもたちにおいて原始反射の残存は、発達の遅れや困難を示す兆候としてとらえられるでしょう。これは意図的な行動や動作が制御できず、発達の進行に遅れが生じていることを意味します。
個別の反射の出現や統合のパターンを理解し、発達の遅れを補うための適切な介入や支援を提供することが大切です。
原始反射を調える
発達障がいやグレーゾーンの子どもたちにおいて、原始反射を調えることが重要といわれています。
原始反射は生後期に出現する生物学的な反射であり、通常は成長とともに自然に統合していくことがほとんどです。しかし、発達障がいのある子どもたちは原始反射が残っているケースが多いとされています。
原始反射が残っていると自分自身をコントロールすることが困難だったり、本来の生体リズムをうまく刻めていなかったり、学力や運動能力、社会生活にも影響がでる可能性もあるでしょう。子どもたちの成長と発達をサポートするために、原始反射の統合は欠かせない要素といえるでしょう。
原始反射を調える方法については、運動療育が有効な手段のひとつとされています。運動療育は発達障がい、またはグレーゾーンの子どもたちに対して広く用いられています。運動療育を用いて原始反射を調えることが可能です。
まとめ:原始反射を整え発達障がいやグレーゾーンの改善を目指そう
発達障がいのある子どもたちは原始反射が残っているケースが多いとされています。子どもたちの成長と発達をサポートするために、原始反射を調えることは欠かせない要素といえるでしょう。
子どものニーズに合わせた対応を心がけ、自信を持って成長できる環境を作ってあげてください。医師や専門家と連携しながら最適なサポート策を見つけましょう。
LUMOでは、原始反射の理論などを用いて脳を鍛えることで運動療育を促進しています。
原始反射は、生まれつき備わっている反射であり、刺激に応じて自動的に生じる反応です。この原始反射を調整することは、カラダの発達や運動機能の向上に役立ちますが、同時に脳を鍛えることにもつながります。