コラム
子どもが知的障がいかも?特徴とチェックのポイントをご紹介
子どもの言語の習得が遅いと感じる場合や、感情のコントロールするのが苦手な場面を多く見かけるという場合は知的障がいの可能性があります。
知的な能力を必要とする場面や、社会に適応が必要な場面で行動の調整するのが苦手など、日常の中で不自由となることが多いのです。
知的障がいの程度にも個人差があり、他の障がいもあわせ持つケースもあるため、判断は容易ではありません。この記事では、主な特徴とチェックのポイントをご紹介していきます。
知的障がいとは?
精神遅滞とも呼ばれる発達の障がいです。
知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥と、適応機能の明らかな欠陥が、発達期(おおむね18歳まで)に生じると知的障がいであると診断されます。
知的機能とは目的のために合理的に行動し、自分の環境などの課題を処理する総合的な能力を指します。
知能検査を通してIQで表され、複数の評価を専門の機関で行って判断されます。適応機能は日常生活や社会との関わりの中で、必要な行動を効率よく自立して動けるかという能力のことです。
てんかんや脳性マヒなど他の疾患を持つ可能性があるため、継続的な治療やリハビリを必要とするケースもあります。
こんな特徴が見られたら
適応機能については、概念的領域・社会的領域・実用的領域に分けられます。3つの項目で問題がある場合に、他者の助けをどのくらい必要とするかも重症度の判断の基準になります。
例をご紹介していきますので、当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。
概念的領域
知識の習得や、問題が生じた場合の解決に向けた行動がとれるかを確認します。順序立てた思考ができるかという点もポイントです。
- 言葉の遅れが見られる
- 読み書きが難しい
- お金の価値について理解が難しい
- 時間について理解が難しい
- 物事の優先順位を判断が苦手
- 新しい情報を記憶することが難しい
- 計画をして行動することが難しい
社会的領域
対人関係を築く能力に問題がないかを確認します。相手の意見に直面し、他者との相互的なやり取りをしながら行動できるかという点がポイントです。
- ルールを理解するのが苦手
- コミュニケーションがパターン化している
- 感情のコントロールが苦手
- 相手の意図をくみとることが難しい
実用的領域
日常生活における身の回りの行動に関する能力に問題がないか確認をします。社会的資源の活用が行えるかもこの項目に含まれます。
- 食事や身支度や排泄などの動作に時間がかかる
- 身の安全を配慮した行動するのが苦手
- 金銭管理が難しい
- 乗り物の操作が理解するのが苦手
どこで検査ができる?
知能検査と適応機能を評価し、軽度知的障がい・中度知的障がい・重度知的障がい・最重度知的障がいの4段階に分けて診断されます。
知能検査はIQテストで知能指数が70以下の場合に障がいがあるとされます。
検査を受けられる場所としては、児童相談所から医療機関を紹介してもらう方法や、小児科や神経科や心療内科などを受診しても良いでしょう。
どんなサポートを受けられる?
療育手帳を活用するという方法があります。取得すると自治体が定めた福祉サービスの利用が可能となるシステムです。
支援が受けられる内容としては、税金の減免や、電車やバスの料金の割引、ホテルなどの施設利用料金の割引など様々なものがあります。
各市町村の障がい福祉担当窓口や児童相談所へ申請し、知的障がいがあると認められた後に重症度が決定されて交付となります。
子どもの成長に伴って必要なサポートが変わるため、手帳を申請した後は定期的に再判定をする必要があるでしょう。
身体障がい者手帳は療育手帳と似ていますが、身体障がい者手帳は対象疾患が広く定められ、18歳以上で障がいが永続すると判断された場合に交付されます。
まとめ
子どもの知的な成長が遅いと感じたら、専門の窓口に相談をするようにしましょう。
療育手帳や支援を受けることは任意となりますが、継続的なサポートを必要とする場合があります。
支援を活用すれば心理的な負担や金銭的な負担の軽減にも繋がるため検討してみましょう。