COLUMNコラム
子どもの言葉の遅れが気になる方に 言語障がいについて解説
子どもは成長と共に話せる言葉の数や頻度が増えていきますが、言葉を話す時期が遅い場合は言語障がいではないかと心配になる方もいるでしょう。
言語障がいがある場合、ご家庭内で原因を判断し対処することは難しいケースが多いです。
言語障がいには発達の問題の他に聴力や精神面などの問題でも生じる場合があり、専門の機関に検査や治療をしてもらう必要があるからです。
この記事では言語障がいの要因と発見のポイントについてご説明していきます。
言語障がいには何がある?
言葉の遅れの原因は発達障がいだけではありません。原因をいくつかご紹介しますので、当てはまるものがないか確認をしてみましょう。
発達性言語障がい
運動型(表出性言語障がい)と感覚型(受容性言語障がい)があります。
脳や聴覚に異常がなく、周囲へ関心を向けることができ、会話の意思表示ができるが言葉が遅れているという場合は発達性の言語障がいの可能性があります。
運動型
言葉を理解しているけれども、会話のための言葉を発することが苦手な障がいです。
言葉の引き出しが少なく、言いたいことをうまく伝えられないためストレスを抱えやすいでしょう。
正しく言葉を発することが苦手な代わりに、「あれ」など抽象的な表現やジェスチャーを用いてコミュニケーションを取ろうとします。
症状が重いと他人が話す言葉を模倣することも難しい場合があります。
感覚型
言葉の理解が難しい場合に該当します。
運動型の症状もあわせて見られることもあり、言語の習得が著しく遅れが見られます。
言葉を組み立てて話すということが理解が苦手なため、言葉の引き出しも極端に少なく、文法を間違って話すケースもあるでしょう。
長い文章で話すことも苦手なため、周囲と会話しようとせずに過ごす場合も多く、その様子から内気だと思われることもあるようです。
よく知っている物の名称に反応しないことや、簡単な指示が理解するのが苦手という特徴があります。
自閉性障がい
興味を示す範囲や生活における行動が限定的であり、対人や環境によってコミュニケーションを調整することが難しい障がいです。
知的な障がいを持たない場合や、発達性言語障がいもあわせ持つというケースもあります。診断には発達検査など専門の検査が必要であるため、医療機関で診察を受けます。
社会との関わりがうまくいかないというストレスなどから、うつ病や自傷行為など二次的な問題が出現する可能性もあります。
療育を受けられる施設の活用や環境調整をし、子どもや家族がそれぞれの生活の負担を軽減していくようにする必要があります。
聴力障がい
呼んでも反応がないという場合は聴力自体に問題がある可能性があります。
先天的な難聴の場合は早くから発見されやすいですが、言葉の遅れとして誤解されることがあります。
中耳炎から難聴となるケースもあります。症状が比較的軽度なケースは、声をかけても反応が悪いという程度に思われやすく、発見が遅くなることもあるでしょう。
原因によって治療や補聴器を作成する必要があるため、聴力に問題があると疑う場合は受診をしましょう。
知的発達障がい(精神遅滞)
18歳までの発達期に知的能力と適応能力が低下している場合に診断されます。
ルールの理解に時間がかかることや、自分で判断し決定することが苦手という特徴があり、言語の習得を含めた生活していく習慣を理解することに時間がかかります。
自閉症スペクトラムとあわせて障がいを持つことがあり混同されやすいですが、自閉症は相互コミュニケーションに障がいが出るとされているため、知的障がいとは異なります。
どこに相談すればいい?
言語障がいが疑われる場合は、まず小児神経専門医がいる医療機関を受診するか、地域の保健センターに相談をしましょう。
子どもの持つ問題がわかった後に、受けられるサポートを検討します。方法の1つとして療育施設や発達支援施設などの利用があります。
療育施設と発達支援施設の対象者はほとんど同じであり、子どもの特性に合わせて発達や社会的な関わりをサポートしてもらえます。
子どもが学校に通っている場合は、放課後デイサービスという施設を使う方法もあるため、子どもが学童を利用できないが仕事が忙しいという家庭のサポートをしてくれるでしょう。
まとめ
言葉の遅れの要因は複数あり、治療が必要なケースもあります。言葉の遅れの他にも、疾患をかかえている可能性もあるため、詳しく検査が必要なこともあります。
子どもにとって必要な教育や治療を選択し、今後の人生をサポートしていきましょう。