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抑揚のない話し方の原因は?発達障がいの話し方の特徴について解説

運動療育がもたらす効果

発達障がい(ASD)の人は、言葉の抑揚やコミュニケーションの仕方に独特な特徴が現れる場合があります。特に抑揚のない話し方は、感情が伝わりにくいだけでなく、誤解を招きやすい要因にもなります。

本記事では、抑揚のない話し方をはじめとしたASDの話し方の特徴や、それに関連する課題について解説します。

 

抑揚のない話し方はASD(自閉症スペクトラム)の特徴である

 

抑揚が乏しい話し方は、ASD(自閉症スペクトラム障がい)の特徴であり、社会的な相互作用に課題を抱えることが背景にあります。抑揚の乏しさは、言葉のトーンや速さが一定で変化に乏しい点に表れます。感情が声に乗りにくく、相手に無感情な印象を与える場面も少なくありません。例えば、相手に感謝を伝える際も感情が伝わりにくくなるため、誤解を招く可能性があります。

また、抑揚がない話し方は、機械的と受け取られる場合もあり、冗談や親しみを込めた言葉が適切に受け取られない場合があります。これにより、対人関係の構築が難しくなり、孤立感を深める要因になることもあるのです。

 

発達障がい(ASD)の話し方の特徴

 

ASDの人の話し方には、抑揚が乏しい以外にもさまざまな特徴が見られます。ここでは、ASDの話し方に見られる主な特徴について詳しく説明します。

空気を読めない発言が多い

ASDの人々は、相手や場の状況に応じた発言が難しいことがあります。これは、非言語的な情報を読み取ることの困難さが背景にあります。相手の感情を把握できないため、無配慮な発言や場の雰囲気にそぐわない発言が出やすいのです。

例えば、場の空気を読まずに話し続けたり、冗談を文字通りに受け取ったりすることがあります。このような発言は、人間関係や職場での立場に悪影響を及ぼす可能性があります。無配慮な発言が繰り返されることで、孤立したり対人トラブルを招くリスクがあるのです。また、話し方が初対面でもため口になる、または逆に丁寧すぎるなど、相手に違和感を与えるケースもあります。

要点が見えない

ASDの人は、細部にこだわりすぎるため、話の全体像や要点が見えにくくなることがあります。全体を俯瞰する視点が不足していることや、特定の細部に過度に集中する傾向が原因です。具体的には、話が長くなりすぎて相手を疲れさせることや、相手の細かいミスを執拗に指摘してしまうことがあります。

また、こだわりの強さから自分の意見を曲げにくく、議論や調整が困難になることも特徴的です。興味のない分野では逆に注意力が欠けることがあるため、場面に応じた柔軟性を身につけることが課題となります。

一方的に話す

ASDの人々は、相互的な交流が苦手であるため、一方的に話し続けることがあります。特に、自分の興味がある分野については、相手の反応を考慮せずに話し続ける傾向が強いのです。

相手の発言を遮ってまで話し続けてしまうことも少なくありません。このような特徴は、相手にとって対話の負担を増やし、疲労感や苛立ちを招く原因となります。また、建設的な交渉や議論が難しくなり、対立が生じるリスクもあります。

言葉選びが独特である

ASDの人の話し方には、独特な言葉遣いが目立つ場合があります。形式的な表現や特定分野に特化した語彙がその特徴の一因です。ASDの人は、言葉を学ぶ際に特定のパターンを重視する傾向があります。

例えば、書き言葉のような形式的な言い回しや、興味のある分野に関連した専門用語を多用することがあります。また、比喩や皮肉といった抽象的な表現の理解が苦手なケースも少なくありません。

 

発達障がい(ASD)の話し方以外の特徴

発達障がい(ASD)の人は、話し方だけではなく、さまざまな行動や習慣にも特徴が現れます。以下では、ASDの具体的な特徴を挙げ、それぞれの背景や理由を解説します。

 

周囲に興味を持たない

ASDの特徴として、周囲の人や環境への関心が低いことが挙げられます。例えば、視線を合わせない、名前を呼ばれても反応しない、といった行動が見られがちです。また、定型発達の子どもは興味を持った対象を指さして周囲に伝えようとしますが、ASDの子どもは指さしを使わない場合があります。

このような行動は、他者への関心や共感を示す能力が発達しにくいことが影響しているとされています。

こだわりが強い

ASDの人は、特定の事柄に強いこだわりを持つことがあります。例えば、特定の質問を繰り返す、決まった手順で物事を進めないと不安を感じる、といった行動です。

日常生活でも同じルールや流れを重視するため、予定が変更された場合にパニックを起こすことも少なくありません。このような行動は、予測不可能な状況に対処するのが苦手なことから来ています。

コミュニケーションが苦手

ASDの人は、話し方の特徴や相手の感情を読み取る力の不足により、コミュニケーションに困難を抱えることがあります。上述したように、一方的に話を続ける傾向や、冗談を文字通りに受け取る特徴が、会話の円滑さを損なう原因となっているのです。

具体的には、会話の中で自分の興味のある話題を延々と話し続けたり、相手の反応を無視して話題を進めることが挙げられます。例えば、相手が話を終えていないにもかかわらず話を遮ったり、場の空気を考えずに話題を切り替えたりするなどの行動が見られます。また、表情や声のトーンから相手の感情を読み取ることが難しいため、場の雰囲気にそぐわない発言をしてしまうことも少なくありません。

これらの行動は相手に不快感や疲労感を与えることがあり、結果として人間関係の構築が難しくなるのです。

 

発達障がい(ASD)の特性で悩んだら

 

ASDの特性による困難を抱える場合、専門機関への相談が有効です。以下のような施設が支援を提供しています。

・発達障がい者支援センター
・児童発達支援センター
・精神保健福祉センター
・保健所や保健センター
・児童相談所

ASDの子どもは、特性に応じた支援を受けることで社会適応力を育むことが可能です。不適応行動が目立つ場合でも、適切なサポートを受けることで、生活や学習環境に順応しやすくなります。

LUMOでは、運動を通じてさまざまな悩みにアプローチする支援を行っています。ASDの特性についての悩みがある場合もぜひご相談ください。

 

まとめ

 

抑揚のない話し方は、ASDの特徴としてよく見られ、相手に無感情な印象を与えることがあります。さらに、一方的に話し続ける、空気を読まない発言をするなど、ASDの人がコミュニケーションに困難を抱える理由はさまざまです。これらの話し方の特徴は、人間関係の摩擦や孤立感を生む可能性がありますが、専門機関での支援やトレーニングを受けることで改善が期待できます。

LUMOでは、原始反射の理論などを用いて脳を鍛えることで運動療育を促進しています。原始反射は、生まれつき備わっている反射であり、刺激に応じて自動的に生じる反応です。この原始反射を調整することは、カラダの発達や運動機能の向上に役立ちますが、同時に脳を鍛えることにもつながります。

 

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