COLUMNコラム

手をひらひらさせるのは健常児にも見られる?常同行動について解説

運動療育がもたらす効果

子どもが手をひらひらさせる行動を繰り返しているのを見て、不安に思うママやパパもいるでしょう。手をひらひらさせる行動は健常児にも見られることがあります。ただし知的障がいや発達障がいの子どもに多く見られる「常同行動」の一種である可能性も考えられます。

本記事では、手をひらひらさせる常同行動について、健常児との違いや、子どもが常同行動を起こす理由、相談先などを詳しく解説します。

 

手をひらひらさせる常同行動は健常児にも見られる

手をひらひらさせる行動は、健常児の発達過程でも一時的に見られることがあります。多くの場合、成長とともに自然と消失していきます。しかし知的障がい(知的発達症)や発達障がい、特に自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、常同行動を示しやすい傾向にあります。

ASDの子どもは、視覚、聴覚、触覚、味覚などの感覚のはたらき方が独特で、特定の刺激を繰り返し受けるのを好むことがあります。手をひらひらさせる行動も、そうした「自己刺激行動」の一つと考えられています。

周囲から見ると奇妙に映るかもしれませんが、子どもにとっては特定の刺激を求める合理的な理由があるのです。

 

手をひらひらさせる以外の常同行動

常同行動には、手をひらひらさせる以外にもさまざまなパターンがあります。例えば次のような行動が挙げられます。

・目的もなく飛び跳ねる
・頭を壁にぶつける
・自分の髪を引っ張る
・同じ場所をぐるぐる回る
・意味のない言葉を繰り返すなど

ただしこれらの行動がすべて現れるわけではなく、子どもによって現れ方は異なります。また年齢によっても見られる常同行動は変化することがあります。

 

子どもが常同行動をおこなう3つの理由

子どもが示す常同行動は、一見すると理解に苦しむものがあります。しかしそんな行動の裏には、子どもなりの切実な理由が隠れているのです。ここでは、子どもが常同行動を起こす代表的な3つの理由を、具体例を交えながら詳しく解説します。

 

コミュニケーションの手段

言葉の発達が十分でない子どもの場合、不満や要求を常同行動という形で表現しているのかもしれません。例えば部屋の温度が高すぎて不快なときに、手をバタバタさせて訴えているような場合が考えられます。

またおもちゃを欲しがっているのに言葉では上手く伝えられず、代わりに奇声を上げ続けて注目を引こうとしているケースもあるでしょう。このように、常同行動は子どもからの重要なメッセージである可能性があるのです。

 

過剰な刺激からの逃避

外界からの刺激に敏感な子どもにとって、日常の何気ない光景が耐え難いストレスになっていることがあります。そのようなとき、子どもは常同行動に没頭することで不快な刺激を遮断し、自分だけの心地良い世界に逃げ込もうとしているのです。

例えば音に敏感な子どもがうるさい環境下で、耳を塞ぐように手をひらひらさせ続ける様子が見られるかもしれません。また視覚的な刺激が強すぎるときに、目を閉じて同じ動作を繰り返すことで、ストレスから解放されようとしている可能性も考えられるでしょう。

 

感覚刺激の追求

感覚が鈍麻していたり、逆に過敏だったりする子どもの中には、適度な刺激を求めて常同行動を起こすケースもあります。周囲に一定の刺激があるにも関わらず、子ども自身はそれを十分に感じ取れない状態なのです。そこで、自分のカラダをつねったり、物を叩いて音を出したりして不足している感覚を満たそうとするのです。

例えば感覚が鈍麻気味の子どもが、自分の腕を繰り返しつねることで痛み刺激を得ようとする様子が見られるかもしれません。また、聴覚刺激を求めて、物を叩いて音を立てることに執着する子どももいるでしょう。

常同行動の背景にある子どもなりの理由を理解することは、適切な対処法を考えるうえで重要な手がかりになります。子どもの行動をただ奇異に感じるのではなく、そこに込められたメッセージを汲み取る視点を持つことが大切です。

 

子どもの常同行動の相談先

子どもの常同行動について悩んだら、以下のような専門機関に相談してみましょう。

・発達障がい者支援センター
・児童発達支援センター
・精神保健福祉センター
・保健所、保健センター
・児童相談所

発達障がいの子どもにとって、社会適応力を身につけることが大切です。常同行動など、その場に合わない行動をしてしまうことがあるからです。LUMOでは、運動を通してさまざまな悩みにアプローチします。お子様の常同行動についても、ぜひご相談ください。

 

まとめ

 

手をひらひらさせる行動は、健常児にも一時的に見られることがありますが、知的障がいや発達障がいの子どもに多く見られる「常同行動」である可能性があります。常同行動には、手をひらひらさせる以外にもさまざまなパターンがあり、子どもによって現れ方は異なります。

子どもの常同行動について悩んだら、専門機関に相談するのがよいでしょう。LUMOでは、原始反射の理論などを用いて脳を鍛えることで運動療育を促進しています。原始反射は、生まれつき備わっている反射であり、刺激に応じて自動的に生じる反応です。この原始反射を調整することは、カラダの発達や運動機能の向上に役立ちますが、同時に脳を鍛えることにもつながります。

 

TOPお知らせ一覧手をひらひらさせるのは健常児にも見られる?常同行動について解説

まずは無料体験!