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発達障がいの子どもがトイレに行かない理由は?効果的なトイレトレーニングを紹介
発達障がいの子どもは、トイレトレーニングに困難を抱えることが少なくありません。トイレに行くことを嫌がったり、なかなかトイレで排泄ができなかったりと、悩みを感じているママやパパもいるでしょう。
しかし、発達障がいの子どもがトイレに行かない背景には、さまざまな理由が存在します。
本記事では、発達障がいの子どもがトイレに行かない理由を3つ紹介するとともに、発達障がいの子どもに対するトイレトレーニングの方法についても解説します。
発達障がいの子どもがトイレに行かない4つの理由
発達障がいの子どもの中には、トイレに行くことを嫌がる、または行けない子がいます。そのような行動の背景には、いくつかの理由が考えられます。ここでは、発達障がいの子どもがトイレに行かない主な4つの理由を紹介します。
トイレに行くタイミングや場所などのこだわりが強い
発達障がいの子どもは、日常のルーティンや環境に強いこだわりを持っていることがあります。トイレに行くタイミングや場所についても、独自のルールを持っているケースも少なくありません。
例えば、特定の時間にしかトイレに行かない、家の中の決まった場所でしか排泄しないなどです。このようなこだわりは、子どもにとって安心につながるのので、急な変化を求められると大きなストレスを感じてしまいます。
また、おむつからパンツへの切り替えを急に要求されても、適応するのが難しいでしょう。こだわりの背景にある子どもの気持ちを理解し、ゆっくりと柔軟に対応していくことが大切です。
運動機能が充分に発達していない
発達障がいの子どもの中には、運動機能の発達が遅れている場合があります。トイレに行くためには、歩行や姿勢の保持、着脱衣など、さまざまな動作が必要です。これらの動作が上手くできないと、トイレでの排泄に抵抗を感じるかもしれません。
例えば、便座に座る姿勢が保てない、トイレットペーパーを上手く使えない、手を洗うのが難しいなどの問題が生じることがあります。子どもの運動発達の状況を把握し、必要に応じて作業療法士などの専門家に相談しながら、トイレトレーニングを進めていくことが望ましいでしょう。
夜尿症の可能性がある
夜尿症は、5歳以上の子どもが、月に1回以上、3ヵ月以上にわたって夜間におねしょをしてしまう状態のことです。発達障がいの子どもは、夜尿症の可能性が高いと言われています。
原因は、膀胱容量の小ささ、夜間の尿量の多さ、覚醒のしにくさなどが考えられます。夜尿症は、子どもの自尊心を傷つけ、トイレへの恐怖心を生み出すこともあるでしょう。また、夜尿症があると、昼間のトイレトレーニングにも影響を及ぼす可能性があります。
医療機関と連携し、生活習慣の改善や薬物療法など、適切な治療を行いながら、子どもの心理的なサポートが求められます。
感覚特性がある
発達障がいの子どもの中には、感覚の過敏さや鈍麻さを抱えている場合があります。トイレは、明るさ、臭い、音など、さまざまな感覚刺激が集中する場所です。感覚過敏の子どもは、これらの刺激に敏感に反応してしまい、トイレを避けるようになるかもしれません。
例えば、トイレの照明が眩しすぎる、換気扇の音が耳につく、尿や便の臭いが気になるなどです。一方、感覚鈍麻の子どもは、尿意や便意を感じにくく、トイレに行くタイミングを掴めないことがあります。
子どもの感覚特性を理解し、トイレ環境を調整したり、感覚刺激への耐性を段階的に高めたりするなどの配慮が必要です。
発達障がいの子どものトイレトレーニング方法
発達障がいの子どもは、トイレトレーニングに時間がかかることがあります。子どもの特性を理解し、焦らずに個々のペースに合わせて進めていくことが大切です。ここでは、発達障がいの子どものトイレトレーニング方法について紹介します。
トイレに行く意味を理解してもらう
発達障がいの子どもの中には、そもそもトイレに行く意味が分からない子もいます。「なぜトイレに行く必要があるのか」「トイレでは何をするのか」といった基本的なことを、絵カードや人形を使って視覚的に説明することが大切です。
子どもが理解しやすいように、簡潔で具体的な言葉を選び、繰り返し伝えるようにしましょう。また、トイレに行ったあとは、子どもを褒めて達成感を味わってもらうことも効果的です。
徐々に慣らしていく
トイレトレーニングは、段階を追って進めていくことが重要です。最初は、排泄後にトイレに連れて行き、「おしっこ(うんち)が出たからトイレに行こう」と伝えるところから始めます。
次に、排泄のサインに気づいたら、トイレに誘導するようにします。徐々に、排泄感覚を意識できるようになれば、自分からトイレに行けるようになるでしょう。子どもの反応を見ながら、1つずつステップアップしていきましょう。焦らずゆっくりと習慣づけていくことが大切です。
失敗は気にしない
トイレトレーニングの過程では、失敗は付き物です。おもらしをしてしまったときに、子どもを叱ったり、がっかりした態度を取ったりすると、子どもの自尊心を傷つけ、トイレへの抵抗感を生む可能性があります。
失敗しても、「次は上手にできるよ」のように励まし、前向きな言葉をかけることが大切です。子どもが自分を否定的に捉えないよう、温かく見守る姿勢が求められます。また、失敗の原因を一緒に考え、改善策を探ることで、子どもの意欲を引き出せるでしょう。
まとめ
発達障がいの子どもがトイレに行かない理由は、こだわりの強さや運動機能の未発達、夜尿症、感覚特性など、さまざまな要因が考えられます。子どもの行動の背景を理解することが、トイレトレーニングを進める上で大切なポイントです。
トレーニングをおこなう際は、トイレに行く意味を分かりやすく伝え、段階を追って無理なく進めていきましょう。失敗は付き物ですが、子どもを叱るのではなく、励ましの言葉をかけて自尊心を育てることが大切です。
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