コラム
発達障がい(ADHD)の子どもが嘘をつく理由は?正しい対処法を紹介
発達障がいの子どもが嘘をつくのは、特性が影響していることが考えられます。単なるいたずらや意地悪ではなく、脳の働き方の違いから、状況の理解が難しかったり、衝動的に言葉が出てしまったりすることがあります。そのため、嘘をついたことを頭ごなしに叱るのではなく、子どもの視点に立って理解を深め、適切な対応を心がけることが大切です。
本記事では、発達障がいの子どもが嘘をつく理由と、その正しい対処法について詳しく解説します。
発達障がい(ADHD)とは

ADHDは、注意欠如・多動性障がいと呼ばれる発達障がいの一種です。ADHDの主な特徴は、不注意、多動性、衝動性の3つです。
不注意
不注意の特徴は、注意力が持続しにくく、ミスが多いことです。具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます
・学校の授業中に注意が散漫になり、先生の説明を聞き逃してしまう
・宿題や仕事で細かいミスを繰り返したり、提出物を忘れたりする
・日常生活で財布や鍵など大切なものをよく無くしてしまう
・片付けが苦手で、部屋が散らかっていることが多い
注意力の維持が難しいため、重要な情報を見逃してしまったり、物事に集中し続けることが困難になります。
多動性
多動性の特徴は、じっとしていられず、落ち着きがないことです。具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます
・教室で席に座っていられず、立ち歩いてしまう
・会議中に落ち着きがなく、じっとしていられない
・他者との会話で、相手が話し終わるのを待たずに口をはさんでしまう
・質問に対して早口で答えすぎてしまう
多動性は、外からの刺激に反応しやすく、カラダを動かさないと気持ちが落ち着きません。そのため、何かに夢中になると周りが見えなくなり、一方的に話し続けてしまうこともあります。
衝動性
衝動性の特徴は、考える前に行動してしまうことです。具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます
・順番待ちが苦手で、我慢できずに割り込んでしまう
・危険を予測できず、交通ルールを守れないことがある
・感情のコントロールが難しく、カッとなって大声を出したり、暴力を振るったりしてしまうことがある
衝動性は、行動を抑制することが難しく、先の結果を考えずに行動に移してしまいがちです。怒りなどの感情も爆発しやすく、人間関係のトラブルに発展することも少なくありません。
子どもがつく嘘とは

子どもがつく嘘には、発達段階によって特徴があります。幼児期(2歳半〜6歳頃)の嘘は、空想や願望が転じたもので、自分のなかでは「本当にあったこと」と認識していることが多いのです。意図的な嘘をつくこともありますが、単純でつじつまが合わないのが特徴です。嘘をつくようになったのは、知能の発達の証ともいえるでしょう。
一方、学童期(小学生以上)になると、計画的に嘘をつくようになります。テストの点数を隠すなど、すぐにバレない工夫を凝らすことも多いでしょう。嘘をつく原因も複雑化し、子ども自身の深刻な悩みやSOSのサインである可能性も考えられるため、見極めが大切です。
子どもの嘘は、成長の過程で誰もが経験するものですが、頻度が高いなど気になる場合は、早めの対応を心がけましょう。嘘の内容から子どもの心理状態を注意深く観察し、適切なサポートにつなげていくことが重要です。
発達障がい(ADHD)の子どもが嘘をつく理由

発達障がい(ADHD)の子どもは、さまざまな背景から嘘をついてしまうことがあります。
日常生活での失敗が多いため
ADHDの子どもは、不注意や衝動性の特性により、学校や家庭での失敗が多くなりがちです。叱られることを恐れて、その場しのぎの嘘をつくことが習慣化してしまうケースがあります。本人もなぜできないのか理解できないまま、行動の理由を無理に作り出し、明らかな嘘をついてしまうのです。
衝動性により思ったことを口に出してしまう
衝動性の特性から、頭に浮かんだことをそのまま口に出してしまうことがあります。空想していたことを、あたかも現実のように話すこともあるでしょう。事実ではないとわかっていても、言葉を抑えられずに自己嫌悪に陥ることも少なくありません。周囲から誤解されやすい特性と言えます。
状況が把握できていない
ADHDの子どもは、不注意の特性から、状況を正確に把握するのが苦手なことがあります。そのため、実際に起こったことと違う認識を持ってしまい、周りから見ると「嘘」になってしまうのです。本人は事実だと信じて話しているため、頭ごなしに否定せず、なぜそう思ったのか一緒に確認することが大切です。
発達障がい(ADHD)の子どもの嘘への対処法

ここでは、発達障がいの子どもの嘘への対処法について紹介します。
嘘をついたことを叱らず理由を聞く
ADHDの子どもが事実と異なることをいったときは、「嘘をついてはダメ」と叱るのは避けましょう。嘘だと自覚していない場合、なぜ怒られたのか理解できず、混乱してしまうためです。まずは子どもの言葉を否定せず受け止め、「どうしてそう言ったの?」と、言葉の裏にある気持ちを汲み取るよう心がけることが大切です。
環境を見直す
自分を守るために嘘をつくパターンの子どもは、失敗体験の積み重ねが原因となっていることが少なくありません。特性により「できない」ことを自覚できず、理由をこじつけて自分や周りを納得させようとするのです。保護者や学校が協力し、特性に配慮した環境を整え、失敗を減らすサポートが不可欠と言えるでしょう。
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まとめ

発達障がい(ADHD)の子どもが嘘をつくのは、特性による影響が大きいことがわかりました。日常生活での失敗体験の積み重ねや、衝動性、状況把握のむずかしさなどが、嘘をつく背景にあるのです。嘘をついたことに対しては、まずは言葉を受け止め、理由を聞くことが大切です。そして、失敗を減らすための環境調整や、自信をつけるための成功体験の積み重ねなど、特性に配慮したサポートが必要不可欠といえるでしょう。
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