コラム
注意欠陥多動性障がい(ADHD)のチェック方法は?診断方法や接し方を紹介
注意欠陥多動性障がい(ADHD)とは、不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする発達障がいの一種です。集中力が続かない、じっとしていられない、衝動的な行動が目立つなど、特徴的な症状がありますが、それらの症状だけで判断するのは難しいといえます。適切に診断を受け、その子に合った接し方を知ることが大切です。
本記事では、注意欠陥多動性障がいのチェックリストを用いた自己診断の方法や医師による診断の流れ、注意欠陥多動性障がいの子どもへの正しい接し方について解説します。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)のチェックリスト

注意欠陥多動性障がいは、不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする発達障がいです。以下のチェックリストは、注意欠陥多動性障がいの一般的な症状をまとめたものです。
不注意
- 複数の物事に注意を払うことが難しい
- 細かいところでのミスが多い
- 話を聞いていないように見える
- 指示に従えず、最後までやり遂げられない
- 整理整頓が苦手で、物をよくなくす
注意欠陥多動性障がいの不注意症状は、学業や家庭での日常生活に大きな影響を与えます。重要な情報を聞き逃してしまったり、ミスが多くなったりと、本人の能力不足と誤解されてしまうことも少なくありません。
多動性
- じっと座っていられず、そわそわしている
- じっとしていなければいけない場面でも落ち着きがない
- 静かに遊ぶことが難しい
- きっかけがなくても突然動き出す
- しゃべり過ぎる傾向がある
多動症状は、じっとしていられない様子が特徴です。授業中に席を立ち歩いたり、教室を出たりと、周囲から落ち着きがないと見られることが多くあります。
衝動性
- 質問が終わる前に答え始めてしまう
- 順番を待つことが苦手
- 会話を遮ったり、割り込んだりする
- 熟考せずに行動してしまう
- 気持ちをコントロールするのが難しい
衝動性の症状は、言動や行動のコントロールがむずかしい点にあります。失敗を恐れず突き進む行動力は魅力的な一面でもありますが、人間関係のトラブルに発展することも多いでしょう。
これらの項目に多く当てはまる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。ただし、あくまで目安であって、当てはまる項目が多少あっても注意欠陥多動性障がいとは限りません。反対に、当てはまる項目が少なくても注意欠陥多動性障がいの可能性を完全に否定できるわけでもありません。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)の診断方法

注意欠陥多動性障がいの診断には、確立された医学的検査だけで判定できる方法はありません。そのため、医師が問診や行動観察、心理検査などを総合的におこない、注意深く評価して診断を下します。診断の際、まずは詳しい問診をおこないます。生育歴や既往歴、家族歴に加え、家庭や学校での生活の様子を丹念に聞き取っていくのです。
また、注意欠陥多動性障がいの症状は、自閉スペクトラム症(ASD)など他の発達障がいや、うつ病などの精神疾患でも見られることがあります。注意欠陥多動性障がいの可能性だけでなく、他の疾患や障がいの併存についても検討が必要になるでしょう。心理検査では、知能検査や発達検査、注意欠陥多動性障がい評価スケールなどを用いて、子どもの特性を多角的に評価します。
このように、注意欠陥多動性障がいの診断はさまざまなアプローチから総合的に判断されるため、診断できるのは専門知識を持った医師に限られるのです。子どもの行動が気になるなら、まずは小児科や精神科の医師に相談してみることをおすすめします。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)の子どもへ接し方

ここでは、ADHDの子どもへの具体的な接し方について紹介します。
指示は具体的に出す
抽象的な言い方は上手く伝わらないことがあるので、指示は具体的に1つずつ出すようにしましょう。例えば、「部屋を片付けなさい」という指示では、何から手をつけていいのかわからず混乱してしまうかもしれません。そのため、「まずはブロックを箱に入れよう」「次に本棚の本を整理しよう」のように、具体的に順序立てて伝えるとよいでしょう。
たくさん褒めて自己肯定感を高める
子どもを褒めることは、どのような行動をするべきかを自ら理解したり、本人の達成感や認められたと感じたりすることで自己肯定感へつながります。子どもができたことに目を向け、小さな進歩も見逃さずにたくさん褒めてあげましょう。「宿題を最後までやり遂げられたね」「話をちゃんと聞けたね」など、具体的に褒めることを心がけましょう。
スケジュールやルールをつくる
ADHDの子どもは、自分で時間を管理したり計画を立てたりするのが苦手な傾向にあります。本人のやりやすさ、約束ごとを守りやすくするために、スケジュールやルールをつくるとよいでしょう。視覚的に見やすいように、カレンダーや時計を活用したり、イラストや写真を使ったりするのもおすすめです。子どもと一緒にルールを決め、「ルールを守れたらご褒美」など、ポジティブな約束をすると効果的です。
まとめ

注意欠陥多動性障がい(ADHD)は、不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする発達障がいの一種です。チェックリストを用いての自己診断も可能ですが、確定診断には医師による総合的な評価が必要です。ADHDと診断された場合は、子どもの特性を理解した適切な関わり方が求められます。
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