COLUMNコラム
頭でわかっていても行動できないのは病気?原因と対処法、発達障がいの可能性について解説
「いっていることは理解してるのになかなか行動に移せない……」このような子どもの行動に悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。こうした行動の背景には、発達障がいの特性が関係していることがあります。
本記事では、子どもが頭でわかっていても行動できない理由や、行動しやすくなるための工夫について解説します。
頭でわかっていても行動できない理由|発達障がいの特性
発達障がいの子どもは、頭ではわかっていてもそれを行動に移すことが難しいことがあります。その理由の一つは、発達障がいの特性にあります。例えば、ADHD(注意欠如・多動性障がい)の子どもは、注意力が散漫で指示を最後まで聞けなかったり、衝動性が強くてすぐに行動に出てしまったりすることがあります。
また、自閉症スペクトラムの子どもは、言葉の意味を字義通りにとらえてしまい、抽象的な表現が理解しづらいことがあります。そのため、「部屋をきれいにしなさい」といわれても、具体的にどうすればいいのかわからず、行動に移せないのです。
このように、発達障がいの特性により、頭で理解していてもスムーズに行動できないことは珍しくありません。子どもに合わせて指示を具体的に出したり、1つずつ順番に伝えたりするなどの配慮が必要です。
発達障がいの子ども行動に移しやすい指示出しの工夫
発達障がいの子どもは、指示されたことを理解し、行動に移すまでのプロセスが苦手です。ここでは、発達障がいの子どもが行動しやすくなる指示の出し方の工夫を紹介します。
1つの指示を具体的に伝える
発達障がいの子どもは、抽象的な指示では何をすればよいのか迷ってしまうことがあります。例えば、「片付けよう」と伝えるだけでは、何から手をつけていいのかわからないかもしれません。そのため、「散らかったおもちゃを、赤い箱に入れよう」のように、具体的に指示することが大切です。
1度にたくさんのことを伝えるのではなく、1つずつ順番に伝えるようにしましょう。子どもが1つの行動を終えてから次の指示を出すことで、混乱せずに行動できるでしょう。
視覚を利用する
発達障がいの子どもは、言葉の指示だけでは理解がむずかしい場合があります。特にADHDの子どもは、聴覚からの情報処理が苦手な傾向にあります。そこで有効なのが、視覚的な手がかりを用いることです。
例えば、やってほしいことをわかりやすい言葉で書いたものを用意し、見えるところに貼っておきます。文字が読めない子どもの場合は、イラストを使うのも効果的です。「着替え→手洗い→歯磨き」といった一連の流れを絵で示すことで、見通しを持って行動できるようになります。
必要に応じて療育(発達支援)を検討してみよう
ここでは、療育について詳しく見ていきます。
療育とは
療育とは、発達障がいの子どもやその可能性のある子どもに対して、発達状況や障がい特性に応じた支援をおこなうことです。この支援は、現在の困りごとの解決を図りながら、将来的な自立と社会参加を目指します。
療育のメリット
療育を受けることで、子どもの社会性やコミュニケーション能力の向上が期待できます。苦手なことにも少しずつ挑戦する力を身につけ、自己肯定感を育んでいくことにもつながります。
また、ママやパパにとっても、子どもへの接し方や関わり方について専門的なアドバイスがもらえるのは心強いでしょう。子育ての不安や悩みを共有し、前向きに向き合っていくためのサポートを受けられます。
療育を受けられる機関
療育は、児童発達支援センターや児童発達支援事業所、障がい児通所支援事業所などで受けられます。これらの施設の利用には、市区町村から発行される受給者証が必要です。まずは、お住まいの地域の発達支援課や児童相談所などに相談してみるとよいでしょう。
発達障がいの子どもの成長を助けるためには、周りの理解と協力が欠かせません。療育という選択肢を視野に入れながら、子どもに寄り添った支援を続けていきましょう。
まとめ
子どもが頭ではわかっているのに行動に移せないのは、発達障がいの特性が関係していることが考えられます。言葉の指示を理解することが難しかったり、衝動性が強かったりと、さまざまな要因が絡み合っています。こうした特性を踏まえたうえで、1つずつ具体的に指示を出したり、視覚的な手がかりを用いたりするなど、子どもに合わせた伝え方の工夫が大切です。
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